サムスンの最新スマートウォッチ、Galaxy Watch7のレビューをお届けします。
同時に発表されたGalaxy Watch Ultraが、10万円を優に超えるApple Watch Ultraのライバルとしてデザインされているのに対して、Galaxy Watch7はシリーズの順当な後継機となっています。
本記事では、Galaxy Watch7を実際に使用し、ワークアウトやヘルスケアといった各種機能の精度、バッテリー持ちなどを詳しく評価してレビューします。
購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
Galaxy Watch7のレビュー
Galaxy Watch7のメリット・デメリットは上の通り。
ここからは、デザインや装着感から機能面・性能面まで詳しくチェックしていきます。
デザインと操作性:3nmチップセットでサクサク感アップ
Galaxy Watch7には、ケースサイズが40mmのモデルと44mmのモデルがそれぞれBluetooth・LTEと用意されています。
今回レビューするのは、44mmのBluetoothかつシルバーのモデルです。
ケースはサラサラとしたつや消し質感で、高級感のある仕上がり。側面に2つのボタンが搭載されている点は従来通りで、上のボタンの根本のみオレンジ色のアクセントカラーが入っています。
腕に装着してみた様子はこんな感じ。
一般的な男性の腕であれば極端に大きすぎるという心配はなく自然な見た目ではないでしょうか。
Galaxy Watch6 Classicのような回転ベゼルは搭載されていませんが、タッチ操作で回転ベゼルを再現した「タッチベゼル」には対応しています。指の動きにあわせてぶるぶると震えるようなフィードバックもあり、個人的には回転ベゼルなしでも十分快適に操作できると感じました。
また、Galaxy Watch7や同時に発表されたGalaxy Watch Ultraには、Exynos W1000というサムスン独自の新型チップセットが採用されています。
このチップセットはシリーズ初となる3nmプロセスで設計されており、そのおかげかGalaxy Watch7の動作は非常に滑らかになっています。
Galaxy Watch6 Classicの動作も全く悪くないのですが、Galaxy Watch7はスワイプ時の微妙なカクツキやアニメーションの滑らかさが改善されているので、ワンランク上のスムーズな操作感を体験可能です。
ワークアウトとヘルスケア:AGEs指数って何?
Galaxy Watch7のワークアウト機能や健康管理機能は、搭載されているセンサーの改善により精度が向上していると言われています。
ただし、元々精度に不満はなかったので私を含めておそらくほとんどの方は違いを感じるのは難しいと思われます。
そんななか、明確に従来モデルとの差を感じられるのが新機能の「AGEs指数」測定です。
AGEsとは、体内の糖質とタンパク質が結びついてできた老化物質のこと。AGEsの蓄積は健康面や美容面で悪影響を与えると言われており、Galaxy Watch7ではそのAGEsを睡眠中に測定できます。
測定結果は上の画像のように数直線上の位置で表されるので、具体的な数値は不明。スマホのアプリ内では、AGEs指数が高い場合は食生活や生活習慣(睡眠や運動など)を改善することで数値を下げられるとも言われており、健康な生活を目指すためのモチベーションとして活用できそうです。
もっと具体的な健康状態を知りたい方向けに、「エナジースコア」を測定する機能も用意されています。
エナジースコアは、わかりやすく言うと体調を数値化したもの。自分ではわかりにくい「体が元気かどうか」を数字でハッキリと見せてくれる機能です。
エナジースコアの算出に使われるデータは、前日の睡眠や運動時間など。途切れると精度が落ちてしまうので、できるだけ毎日Galaxy Watch7を付けて就寝するのがおすすめです。
AGEs指数もエナジースコアも機能を有効にしておくだけであとはGalaxy Watch7を巻いておけば自動的にデータが蓄積・算出されていくため、利用のハードルは非常に低いです。
体組成計と並ぶ、他社のスマートウォッチにはないGalaxy Watch7ならではの機能でもあるので、ぜひ活用して体調管理に役立ててみてください。
通話と通知は引き続き対応
通知のチェックや通話などの機能は、従来のモデルや他社のスマートウォッチと同様にGalaxy Watch7にも搭載されています。
通知を表示するアプリは任意で設定できるほか、スマホとGalaxy Watch7で通知がダブらないようにする設定が用意されているのも使い勝手がよいです。
なお、通知に対する返信は
- 定型文
- 絵文字
- 手書き入力
- ケータイ入力
- 音声入力
の5種類の方法に対応しています。スマートウォッチ上で文章を作るのは快適ではないですが、1回・2回のやり取り程度であれば意外と現実的なので全く使えない機能ではありません。
もちろん、LINEやSMSといったメッセージにも文章を作成して返信できます。前述の通りチップセットに3nmのExynos W1000が採用されたことで動作が向上しており、キーボードの切り替えや文字入力の滑らかさもアップしています。
通話機能についても従来モデルと特に変化はなく、本体のスピーカーとマイクを使用して着信に応答が可能。
また、Galaxy Watch7からはSIMフリーのLTEモデルがAmazonや楽天で正規に購入できるので、スマホを使わないGalaxy Watch7単体での発着信も気軽にできるようになりました。
なお、通話ができるスマートウォッチについては以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
参考通話機能付きスマートウォッチのおすすめ8選。eSIM対応モデルも紹介
Felica搭載でSuicaが使える!
これもGalaxy Watch6シリーズから引き続きですが、Galaxy Watch7にもFelicaが搭載されていてSuica・QUICPay・iDを利用できます。
Felicaが内蔵されている位置が時計で言う12時のあたりなので改札や決済用のリーダーにも違和感なくかざしやすく(左腕なのはちょっと辛いですが)、しばらく使ってみた限りでは認識の精度や速度も全く問題ありませんでした。
バッテリー持ちは標準的だが充電方法が残念
Galaxy Watch7のバッテリーの持続時間は、AOD未使用だと最大40時間、AODを使用すると最大30時間です。
実際にGalaxy Watch7フル充電したあと、一切充電せずバッテリーがゼロになるまでの時間を記録して検証してみました。
日付と時間 | バッテリー残量 |
---|---|
8月20日午前6時 | 100% |
8月21日午前6時 | 44% |
8月21日午後20時 | 5% |
結果は約38時間で時計専用モードに移行する案内が表示されたので、ほぼスペックシート通りのバッテリー持続時間でした。
Wear OS搭載のスマートウォッチとしてはバッテリー持ちは悪くなく、ギリギリの状態を許容できるのであれば丸1日充電をしなくても翌日半日程度であれば耐えられます。
充電方法は従来通りのワイヤレス充電。ただし、Galaxy Watch6まで対応していたGalaxyスマホの背面から給電する「ワイヤレスバッテリー共有」に非対応になっている点には注意が必要です。
サムスンによると、非対応になった理由は「背面ガラスの形状が変更されたこと」とのこと。個人的にはあまり使っていなかった機能なので気になりませんが、もし頻繁に「ワイヤレスバッテリー共有」を使っている場合は別の手段を用意しておく必要があります。
比較:Galaxy Watch7とWatch6の違いは?
Galaxy Watch7 | Galaxy Watch6 | |
---|---|---|
ディスプレイ | 40mm:1.3インチ 44mm:1.5インチ | 40mm:1.3インチ 44mm:1.5インチ |
CPU | Exynos W1000(ペンタコア/1.6GHz, 1.5GHz) | Exynos W930(デュアルコア/1.4GHz) |
メモリ/ストレージ | 2/32GB | 2/16GB |
バッテリー容量 | 40mm:300mAh 44mm:425mAh | 40mm:300mAh 44mm:425mAh |
バッテリー持続時間 | 44mm:約38時間 | 6 Classic(47mm):約32時間 |
Felica | 搭載 | 搭載 |
固有の機能 | ・AGEs指数 ・エナジースコア ・背面センサーの精度向上 など | ・ワイヤレスバッテリー共有 |
今から買うならGalaxy Watch7がおすすめ!
- AI機能の追加(最新のGalaxyスマホとの組み合わせで使用可能)
- 新CPUの採用で動作が滑らかに
- 健康管理機能にAGEs指数が追加
- ワイヤレスバッテリー共有が利用不可
従来モデルと比較したGalaxy Watch7の変更ポイントをまとめると上の通り。
特に、新世代のCPUの採用による動作の改善と健康管理機能が大幅に改善されていることなどから、回転ベゼルやワイヤレスバッテリー共有にこだわらない方にはGalaxy Watch7がおすすめです。
2種類のケースサイズとLTEモデル・Bluetoothモデルの両方がAmazonで選べるので、予算や使い方にあわせてピッタリのモデルを選択できると思います。